伊藤正臣さん43歳・パートナーさん42歳。同棲を始めて9年目。ゲイカップルでコストコに行ったときのエピソードマンガが話題になった。ともにフリーランスで、家で仕事をすることがほとんど。休日は、アウトレットモールに行ったり、実家に帰ったりして過ごす。
いいパートナーの関係って何だと思いますか?
お互いストレスがない関係かなと思います。特に、生活のリズムは人それぞれなので、折衷案があるといいですね。
僕はもともと実家暮らしで、夜型だったんです。夜中にゴソゴソ動いていたら「あんまり夜遅くに物音を立てないで」と言われたことがありました。
今は、ふたりで暮らしている家に自分の仕事部屋があって、それぞれプライベート空間できて快適です。ワンルームなら大変だったろうなと思います。
心がけていることやふたりのルールはありますか?
強く意識しているわけではありませんが、問題を先延ばしにしないようにしています。思ったことは怒りに変わらないうちにその場で伝えていますね。
ほっといたら家のことをすべて僕が請け負うことになるので、フラストレーションがたまってしまうと思います。彼は鈍感なので、バシッと言わないと気づかないんです。ただ、お互い折れないこともあります。話し合いをして、何とかバランスがとれていると思います。
あとは、自分の時間を作ることでしょうか。仕事のときは部屋にこもってマンガ家の友人とスカイプをしながら作業することで、パートナーと関わらない時間をもちます。彼も、好きなときに出かけていき、お互いの時間を確保できています。
ふたりで共有していることは?
スケジュールと交友関係です。スケジュール管理はすごくアナログですが(笑)、冷蔵庫に貼っているカレンダーにお互いの予定を書き込んでいます。以前、夜ご飯を作って待っていたら「今日は飲み会で帰ってこないからいらない」と言われることがよくあったんです。
お金の管理はそれぞれ行うことで、ストレスがないですね。好きなものは好きなだけ買いたいので、相手の買い物に文句を言うことなく、シングルのころの感覚のままやっています。
家賃は、彼の持ち家なので、僕は光熱費を担当し、彼は管理費の支払いを担当しています。食費は買い物に行く人が払いますが、僕がほとんど担当です。我慢しているわけではなくて、好きでやっているので、良い関係性が築けていると思います。多すぎたら請求することもありますが、毎回ではありません。以前、きちんと使った分だけ割り勘をしていたら、自分の好きなお菓子を買うこともあるのでだんだん面倒になって(笑)。だから、今は細かく折半していません。
伊藤正臣さん、ありがとうございました!
2005年に第65回少年チャンピオン新人漫画賞で奨励賞を受賞。2007年に週刊少年チャンピオンで漫画家デビュー。その後、『片隅乙女ワンスモア』(幻冬舎コミックス)、『タネも仕掛けもないラブストーリー』(集英社)、『人魚姫の水族館』(白泉社)、『マグネット島通信』(新潮社コミックス)など多数の作品を連載。ふらっとヒーローズで『ふたりでおかしな休日を』連載中。
執筆:Riho
写真:ご本人提供
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